2022年1月、八王子商工会議所様から屋上に収益用大型ビジョンを設置したいというご要望をいただいた。もともとその屋上には広告塔が設置されており、17年前に当社で施工したものだった。
表示面の劣化が進んでいたため表示面の意匠替えのご提案を予定していた流れからの大型ビジョン計画となった。
2022年7月11日、大型ビジョンが本格放映。広告枠がすべて完売での満員御礼のビジョンとなって誕生した「八王子が1番ビジョン」
看板業の当社が製作しお届けしたビジョンを、本ページを通じてお伝えしたいと思います。
八王子商工会議所様から「広告塔改修計画の中で、片面を大型ビジョンにできないだろうか。今、コロナもあり片面をビジョンにすることで会員の皆様を応援できないだろうか。」との方向性が示された。私たちはそこまで考えている会議所の皆様、なにより会頭のお考えにお応えしたいと考え、すぐに提案書作成に動き始めた。
大型ビジョンのハードウェアを積算しただけでもかなりの高額になる。運用しながら償却および利益を生むスキームを考えなければならない。そこでいくつかの運用を想定したパターンを考えた。一枠 いくらで、いくつ売れれば損益分岐点を越えることができるのか。またもう1つの工夫は、運用保守もすべて私たちで行うということ。会議所の皆様は日頃から業務に忙しく、ビジョンの運用などしている時間はない。そこも併せてご提案させていただいた。
年初より円安傾向にはあったが、3月終わりに中国メーカーに打診したところ、当初の見積時よりレートが相当円安に振れていた。少しでも見積時の金額に近づけたくメーカーと交渉。4月に入ってからは、いよいよ17年近く使ってきた広告塔の工事を始めた。
LEDはコロナや半導体などの影響を受けることなく順調に製造が進んだ。事前に部品の調達などを依頼していた影響もあるかもしれない。5月GW明けた次の週、遠隔からのWEB検品を行った。コロナになってからこの目で実際に商品を目にする機会がなくなり、それでも間違いがあっては困るので必ずWEBで検品を行っている。また今回は船便も順調に東京港に到着し、荷物を屋上にクレーンで揚げることができた。いよいよ、取付作業が始まる。
とにかく安全第一に気をつけて施工が始まった。高所と厳しい暑さから作業は難航したが、1つずつ丁寧に組み立て、施工を行った。LEDは全部で35個のキャビネットという単位を連結して1つのビジョンにする。そのキャビネット間は一寸の隙間もないほど高精度の組立てができ品質も最高だ。点灯試験も問題なく終了し、「八王子が1番ビジョン」が完成した。
5月のGW明けに八王子が1番ビジョン専用WEBサイトを公開し、DMを配布した。限定30社、1ヶ月30,000円という価格帯とした。 朝の7時から夜の22時まで、10分に1回流れ続けて、1ヶ月30,000円は破格の価格設定だった。この価格は、会議所皆様の「会員を応援したい」という気持ちを表した価格に他ならない。また同時に、手の届く価格帯なら広告出稿したいという企業がとても多かった。
大型ビジョンを動かすシステムは、2年ほど前に自社開発をしたwebシステム「シェアサイン」を使っている。看板業者様が簡単に使えるシステムにしたいと考え、完成してからも改良を重ねてきた。インターネットにつながっていればどこからでも操作ができ、コンテンツの入れ替えなども簡単だ。何か問題が発生した時も、私たちが遠隔からメンテナンスできるので、安心してご利用いただける。
大型ビジョンのような大きな媒体に広告を出すことがはじめてという企業様が多いだろうと想定し、コンテンツ制作も承りたいと考えた。
シンプルプランと高品質プランの2つのプランをご用意したところ、多くの企業様が高品質プランを選択してくださった。
できあがったコンテンツを皆様喜んでいただけて、自社の広告宣伝ツールとしても活用してくれている。
私は先代から会社を継いだ10年前、野立広告について考えていた。この一面は一社が独占しているからこそ意味がある、という考え方も理解できる。しかしこの面はいずれ動的になり、コンテンツが入れ替わるような時代になる。その時、みんなで使えば安い費用で宣伝ができwin-winなのではないか。
大型ビジョンは、資金力のある会社ばかりが目立つのではなく、中小零細企業・商店など、地場の身近な企業が出稿してこそ、媒体として意味がある。今回のビジョン製作は、私の初心を思い出させ、広告の意味をあらためて考える機会となった。
これからも設置した人・利用する人、双方にとってのビジョンとなれるよう心を尽くして提案していきたい。
そして、同じ考えをもつ全国の看板業者様にもこの思いを共有したい。最後にこのような機会をくださった八王子商工会議所様に重ねて御礼を申し上げたい。ありがとうございました。
川越市のイーグル産業様は自社として電子看板に取り組みたいと連絡いただき勉強会を実施し、実際の自社の自立サインをビジョンで製作しました。現在営業活動など幅広く行っています。
彦根市のアート企画様はLEDについて勉強したいと連絡をくださり、ご訪問させていただき勉強会をしました。LEDビジョンへの挑戦ということで自社敷地内に大型ビジョンを設置しました。
弘前市の石岡看板様は雪の多い時期に収益の柱を作りたいという思いからお問い合わせいただき勉強会を行い、大型ビジョンを設置しました。シェアサインシステムでお客様を増やし、ニュースと天気予報も放映しています。
大分市のイースト様は当社八王子まで来てくださった会社様です。大分市内の大きな交差点に場所を借り、ビジョンを設置しました。システムは従来のPiPit-VISIONで運用しています。
南相馬市の原町サイン様は自社で数年前に大型ビジョンの設置を既にしていたのですが、システムが何度も不具合を繰り返すとのことでSOSがありました。PiPit-VISIONのシステムに入れ替えたことでコストも操作も簡単になったと大変喜んでいただきました。
横浜市の看板市場様はこれからは「誰でも簡単に気軽に広告を出せるようになること」を見据え、その時代に対応できるシステムを作りたいと、共同でシェアサインシステムを開発。新しいサインの仕組みづくりの第一歩とも言える大型ビジョンです。